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あなたが注意する相手はあなたの友達です

おびひろ動物園のマンドリルの展示舎に以下のような注意書きが掲示されていたそうだ。
以下にツイートを引用する。
以下は文字に起こしたもの。
大人の方へ
張り紙を見た方の中には、わざとベロを出したりする人もいます。
若いカップルの男性側や大学生など、
20歳前後の人が多いです。
興味本位で禁止行為をして、もし動物がケガをしたら、
責任を取れますか?
動物園の動物は折の中に閉じ込められているがために、
人間のほうが優位だと錯覚しがちです。
ですが忘れないでください。
動物園の動物は、あなたのおもちゃではありません。
Togetterの以下のまとめも参照。
おびひろ動物園・マンドリル舎のガラスに“大人の方へ”と書かれた注意書きが掲示されている…『大人』による動物への問題行動について意見色々 - Togetterまとめ

かなりきつい口調で書かれており、担当者の怒りが伝わってくる。
おそらくここに至るまでに相当数の不心得者に困らされてきたのだろう。
ただ、残念ながらこの注意書きを見た第一印象は「カチンと来る」であった。

自分はこの動物園に行ったことわけでも現物の注意書きを見たわけでもないし、現地に行ったとしてマンドリルに対してそんな挑発をする気もない。そして注意書きを見る大多数の人は動物園からの指示があればそれにきちんと従うだけのモラルはあるだろう。
だが、いきなりあのような敵対的な注意を見せられたらどんな気持ちになるだろうか。
何の悪気もない人であっても気分が悪くなるだろう。あの文章は無駄に敵を作っているように思える。
まして、分かっていてマンドリルを挑発するようなモラルのない人間だったら、なおさら気分を害するのではないか?そもそも悪意のある人間だったらそんな警告を聞くとも思えない。
(この動物園ではないが、仕事場の職員みんなが使う設備に同じような口調の注意書きが張ってあったことがあり、その高圧的な口調にムカついた覚えがある。なお張り紙は1月ほどでどこかに消えた模様。)

お願いをしても聞き入れない「悪い人間」に対しては、ある程度強く注意して釘を刺しておくのもやむをえない面もある。
だが忘れてはいけないのは、目的は「マンドリルへの挑発などの迷惑行為をなくすこと」であり、そのような行為をする「悪い人間」の協力なしにはこの目的を達成することはできないということだ。
目的のためには敵を増やさないのはもちろんだが、今いる敵を味方につけなければならないかつて何度もやらかしたからなぁ。
この注意書きは担当者の怒りの気持ちが前面に出すぎていて、読む者の感情を無駄に逆撫でしている。
怒りを文章にぶつければ担当者の鬱憤は晴れるだろうが、迷惑行為をやめさせるという目的からはそれだけ遠ざかる。
この文意を伝えるためにわざわざ「責任を取れますか?」みたいな煽り口調を使う必要はない。
このような文章を書くときは、対象に対してできるだけ反感を抱かせないように細心の注意を払い、進んで協力してもらえるようにすべきであろう。

良い例が、最近のトイレでよく見かける「きれいに使っていただきありがとうございます」というメッセージだ。
昔はもっと直接的な「トイレをきれいに使いましょう」のような注意書きだったと思う。
これは、最初に礼を述べることで「あなたは私の協力者であり、私の味方ですよ」という裏のメッセージを送り、利用者が自発的に協力する気持ちを呼び覚まそうという工夫なのだ。

ただ、時にはお願いを越えて毅然として警告する必要もあるだろう。
それであっても、感情を廃して客観的に書くだけでだいぶましにはなると思う。
上の例であれば、たとえば

マンドリルに対して舌を出すなどの挑発行為を禁止します。
禁止行為によってマンドリルが負傷または死亡した場合、生体の購入費、設備の保守費等の損害賠償を請求いたします。
みたいに客観的に書けばよい。これでも面白半分のチャレンジャーには十分な抑止力にはなるだろう。

余談だが、動物は「あなたのおもちゃではありません」という表現にも少しいちゃもんをつけてみる。
動物園というのは今でこそ動物の研究や種の保存のための施設としての意味合いがクローズアップされているが、もともとは珍しい動物を展示して人間が楽しむための娯楽施設だ。
つまり動物園の動物は広い意味で我々人間のおもちゃと言えなくはない。
動物園に遊びに行く人たちはそのことを肝に銘じて、その上でみんながおもちゃでいつまでも遊べるように大事にしなければならないのだと思う。
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